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「ラブミー・アゲイン」について、わたしの言葉で ――忘れたはずの恋と、いまの温もりのあいだで

AI音楽

Written by 星野しおり

はじめに ――この曲を、あらためて言葉にしてみます

「ラブミー・アゲイン」(2025年10月30日配信)を語る理由

こんにちは、星野しおりです。

今日は、2025年10月30日に配信を始めた「ラブミー・アゲイン」について、わたしの言葉で書いてみたいと思います。

歌は、メロディーと声だけで届くものだと思っています。

ただ、この曲には、聴いてくださる方それぞれに違う景色が浮かぶような、揺れる気持ちがたくさん詰まっています。

だからこそ、歌い手であるわたしが、この主人公の気持ちをどう受け取っているのかを、一度ゆっくり言葉にしておきたいと思いました。

もちろん、これは「正解」の解説ではありません。

わたしの受け取り方のひとつとして、読んでいただけたらうれしいです。

秋の夜に、曲の物語をゆっくりたどってみます

窓を少しだけ開けると、夜の空気がひんやりと入ってきます。

秋の夜は静かで、昼間は気にならなかった胸の奥の小さな音まで、聞こえてきてしまう気がします。

そんな夜に、この曲の物語をひとつずつ、たどってみます。

お茶でも飲みながら、お付き合いいただけたらうれしいです。

歌詞の全文

街角でふと君が
好きだった歌が流れて
隣にいる彼の肩に
寄りかかったままでumm
落ち着かない気持ちなの
気づかれないように
君と同じ香水の香り
胸の奥がキュッとなる

「大丈夫って」自分に言い聞かせてる
この温もりに身を任せながら
揺れる心を必死に抑えて
新しい明日へ向かわなきゃダメだね

You were kind and everything to me
今はもう過去のこと
Oh why? でも抱きしめられるたびに
君のことが You were everything
あの日の二人は
「さよなら」したはずなのに
Why can’t I forget you? My baby
ずるいよね?
今でもずっと忘れられないでいる

二人で観た映画
切ないラストのシーンで
一緒に泣いてたね
寄りかかったままでumm
こんな幸せな日々が続くと
いつか終わりがきて
ふと想像するだけで
胸の奥がキュッとなる

「もう無理だって」終わりにした恋
それなのに 時が止まったまま
揺れる心が縛り付ける
もう私が前を向かなきゃダメだね

You were mean but I loved you
もう忘れたはずなのに
Oh why? でも彼と強く抱き合うたびに
思い出す You were everything
もう前を向くと
「さよなら」誓ったはずなのに
Why can’t I forget you? My baby
狂おしいほど
忘れられなくて駄目になるのよ

なぜ、心はひとりぼっちなのかな?
もしもあの時、素直になれてたら
きっと言えたのに I still love you

You were kind and everything to me
今はもう過去のこと
Oh why? でも抱きしめられるたびに
君のことが You were everything
あの日の二人は
「さよなら」したはずなのに
Why can’t I forget you? My baby
ずるいよね?
今でもずっと忘れられないでいる

この曲の物語 ――隣にいる人と、忘れられない人

街角で流れる好きだった歌と、同じ香水の香り

夜の街角で彼の肩に寄りかかる女性の後ろ姿と、漂う香りや音符を描いた水彩イラスト。

この曲の主人公は、今は別の彼の隣にいる女性です。

物語は、街角のなんでもない場面から始まります。

ふと流れてきた、昔の恋人が好きだった歌。

そして、すれ違った誰かから届く、同じ香水の香り。

どちらも、思い出そうとしたわけではないのに、向こうからやってきてしまうものです。

わたしは、音や香りが記憶を連れてくる瞬間が、とても繊細で、少し残酷だなと感じています。

身構えていないときほど、心の奥にしまったものに触れてしまいます。

主人公は、隣にいる彼の肩に寄りかかったまま、「気づかれないように」と落ち着かない気持ちを隠しています。

この「気づかれないように」という言葉に、わたしはいちばん胸が痛くなります。

彼を傷つけたくない気持ちと、自分の心をごまかしきれない気持ちが、同じ場所にあるからです。

そして、そのときの「胸の奥がキュッとなる」。

大きな声では言えない小さな痛みを、歌うときはできるだけ静かに、息を混ぜるように届けたいと思っています。

「大丈夫」と言い聞かせる気持ちと、前を向かなきゃという言葉

二つめの連では、主人公が「大丈夫って」と自分に言い聞かせています。

誰かに向けた言葉ではなく、自分に向けた「大丈夫」です。

本当に大丈夫なときには、わざわざ言い聞かせる必要はないのかもしれません。

それでも、この温もりに身を任せながら、揺れる心を必死に抑えて、新しい明日へ向かおうとしています。

「向かわなきゃダメだね」という言い方も、わたしにはとても真面目に聞こえます。

「向かいたい」ではなく「向かわなきゃ」。

そこには、前を向くことへの少しの義務感と、まだ追いつけていない心がにじんでいる気がします。

主人公は、今の彼の優しさを軽く見ているわけではないと、わたしは思っています。

この温もりがあるからこそ、「身を任せながら」前へ進もうとしているのだと感じます。

だから、誰かを責める曲ではなく、自分の心をうまく動かせないもどかしさの曲として、わたしは歌っています。

二人で観た映画の、切ないラストシーン

映画館で並んで座り、同じラストシーンを見つめる二人のシルエット。

三つめの場面は、二人で観た映画の記憶です。

切ないラストシーンで、一緒に泣いていた。

この一行には、二人が同じものを見て、同じ場所で心を動かしていた時間がそのまま残っています。

ただの思い出話のようでいて、「一緒に泣いてたね」という言葉は、とても近い距離にいた二人だったことを教えてくれます。

そして主人公は、今の幸せな日々にも「いつか終わりがくる」と想像して、また胸の奥がキュッとなります。

幸せの中にいるのに、終わりを思ってしまう。

これは、一度大切な恋を終わらせた人の、どこか臆病な心の動きなのかもしれません。

その後に続く「もう無理だって」終わりにした恋、という言葉もあります。

自分で終わりにしたのに、「時が止まったまま」。

終わらせたことと、気持ちが終わることは、同じではないのだと、この歌詞は静かに教えてくれます。

印象に残るフレーズと、聴いてくれるあなたへ

「ずるいよね?」に込めた、自分への問いかけ

この曲の中で、わたしがいちばん言葉を選ぶのが、「ずるいよね?」というフレーズです。

今は別の人に抱きしめられているのに、昔の人を思い出してしまう。

その自分を、主人公は「ずるい」と感じています。

誰かに問いかけているようで、実は自分自身に向けた言葉だと、わたしは受け取っています。

答えを求めているわけでも、許してほしいわけでもなく、ただ、ぽつりとこぼれてしまった問い。

だから、歌うときも強く言い切らず、語尾を少しだけ空に預けるようにしています。

誰の心にも、整理しきれない気持ちはあると思います。

それを「ずるい」と責めるのではなく、ただそこにあるものとして見つめたい。

そんな気持ちで、この言葉と向き合っています。

「なぜ、心はひとりぼっちなのかな?」と「I still love you」

月明かりの窓辺にひとり佇む女性の後ろ姿と、小さな「I still love you」の文字。

曲の終盤、ふっと音が静かになるところで、「なぜ、心はひとりぼっちなのかな?」という言葉が現れます。

隣に誰かがいても、心だけがひとりぼっち。

わたしは、この一行に、この曲のいちばん深い孤独があると感じています。

そして、「もしもあの時、素直になれてたら」「きっと言えたのに I still love you」と続きます。

ここで英語になるのは、日本語では言いきれない気持ちが、ようやく外に出てくるからなのかもしれません。

「きっと言えたのに」と、過去形のまま届く「I still love you」。

今の気持ちなのに、もう届かない場所に置かれた言葉です。

この部分は、技術よりも、静かな夜に小さく打ち明けるような気持ちで歌いたいと思っています。

声を張るのではなく、ファルセットの細い糸を、そっと手繰るように。

答えの出ない気持ちに、そっと寄り添えたら

この曲には、はっきりした答えはありません。

主人公は前を向けたのか、それともまだ揺れているのか。

曲の最後も、最初のサビに戻って、「今でもずっと忘れられないでいる」と静かに終わります。

わたしは、それでいいのだと思っています。

答えの出ない気持ちは、無理に答えを出さなくてもいいと、この曲を歌うたびに感じるからです。

聴いてくださる方が、この曲にどんな景色を重ねるかは、きっと人それぞれです。

主人公の気持ちに寄り添う方もいれば、今の彼の側から考える方もいるかもしれません。

どんな受け取り方も、その方にとっての、この曲の大切な形だと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

秋の夜長に、この曲のことを思い出してもらえたら、それだけでとてもうれしいです。

窓辺の風が少し冷たくなってきました。

どうか、あたたかくして、おやすみください。

「ラブミー・アゲイン」を聴く

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